【耳の病気】
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作成者:JHPA事務局
耳は寄生虫による皮膚炎ができやすく、また、ケンカなどで外傷を受けやすい場所です。猫は嫌がってあまり見せようとしませんから見落としがちになります。耳垢や異常がないか週1回はチェックしましょう。

〈チェックポイント〉

外耳道が赤くはれ、耳ダレがでる。
・しきりに頭をふったり、耳をかく。
 ⇒外耳炎の疑い。

歩行がおかしい。ふらるいている。
 ⇒中耳炎の疑い。

耳をかゆがる。(後肢で頭をかく)
 ⇒耳疥癬の疑い

耳が腫れる
 ⇒耳血腫(耳介血腫)の疑い

◆◇◆耳の病気一覧◆◇◆

■外耳炎(がいじえん)
細菌やカビによる感染、耳ダニの寄生などが原因で外耳道が炎症を起こす病気です。多くは耳に寄生するダニによって起こりますが、細菌感染やカビなど真菌の寄生、アレルギー、腫瘍や 異物、外傷などでも起こります。多くの場合、耳の掃除を行わず、耳アカをためてしまうと耳垢に細菌感染したり、耳垢が刺激となって発症します。掻いてしまう事で炎症は悪化し、痛痒くなりさらに掻き毟るという悪循環に繋がってしまいます。 掻きすぎて耳の皮膚から出血してしまったり、耳の穴が腫れて穴がふさがってしまったりします。また、耳たぶが内出血してしまい、耳が膨らんでしまうケースもあります。

■中耳炎(ちゅうじえん)
ネコが耳を気にしていたり平衡が失われ歩行がおかしい場合は注意です。中耳炎は、ほとんど が外耳炎を併発しています。 片側の耳だけに中耳炎が起こった場合は、異物による鼓膜の貫通や炎症性ボリープ・繊維腫・扁平上皮癌などの腫瘍も疑われます。一般的な症状は、外耳炎や内耳炎の症状とほぼ同じです。痒みはなく、著しい痛みを現すことが多いです。通常は神経症状はみられませんが、斜頚・運動失調・眼振・ホルネル症候群・顔面 神経麻痺を起こす事もあります。

■耳疥癬(みみかいせん)
主な原因としては、耳疥癬虫または耳ダニが感染動物や感染動物が触れた物との接触 により感染することが多いです。特に子猫の感染率が高く、子猫の場合は母猫からもらうことが多いようです。耳垢や耳の中の壁を良く観察すると1mm位の白く透けるようなダニが多数動いているので 異変に気が付きやすいと思います。耳アカをきれいに清掃する必要があり、かゆみが強い場合は消炎剤などでかゆみを抑えます。 飼い主さん自身で行なわずに、必ず獣医さんに相談して下さい

■耳血腫(耳介血腫)
耳介の内側で皮下と軟骨の間の血管が切れ、間に血がたまって腫れてしまう病気です。血腫の部分が腫れるので、すぐに治療が必要で、手当てが遅れたり、こじれると、耳全体が萎縮変形する事がある。原因ははっきりはしていませんが、耳疥癬がある事が多く、耳を引っかいたり、ぶつけたりした時に起こる事もある。耳ダニなどの寄生虫を除去して、耳介の内出血を起こして腫れ上がっている部分に針を刺して血液を除去します。耳血腫は手当てが遅くなると耳が引きつって元に戻らなくなる可能性があるので注意が必要です。

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